二人だけの秘密
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「では、どこにしようか?」
”お出かけ”は私としてくれないか?と甘い声で囁いた鳳珠は、そのまま話を続けた。
こうでもしないと、春麗はなかなか言い出さないからだ。
もっと甘えてわがままを言ってほしいと思っているのに、遠慮しているのか、はたまた欲がないのか春麗はあまり要望を出してこない。
この声で甘やかして要望が引き出せるならいくらでも、というように、鳳珠は「どこがいい?」と耳元でもう一度囁いた。
「んっ、鳳珠様、くすぐったいです」
声だけで失神する人が出るような、常人なら腰が砕けるであろう甘い囁きをなんとか凌いだ春麗は、そうですね…と呟いた。
「もしよろしければ、ですけれど…お天気が良ければ、暑くなる前に、龍山に…」
「母上の墓参りか?」
「えぇ」
「わかった。では馬で行くか。帰りに街で午でも食べよう」
ひょいと春麗を抱き上げて、そのまま寝台へ向かう。
宝物のようにそっと下ろしてから、「今日はほどほどにしておかないとな」と言いながら、そのまま覆いかぶさった。