豊作御礼大祭典!?
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
目当ての人を見つけ出し、春麗は駆け寄って「あの」と声をかけた。
くるりと振り返った美しい人は「紅秀麗たちには内緒でな、少し待っていろ」と言って俥に乗り込む。
俥は走り出すことがなかったため、春麗はその場で少しだけ待った。
程なくして、俥の扉が開き、春麗に乗るように促すかのように腕を差し出された。
条件反射で手を取り、乗り込む。
「女姿で会うのはどうもな、と思って着替えた。待たせてすまない」
(鳳珠様の、私服…)
官服とあまり変わらないが、それでもあまり目にすることのない姿に、少し照れくさくなる。
「どうして…」
「さて、な。少したてばばわかる」
「秘密、ですか?」
「あぁ…秀麗は私だとわかったか?」
「おそらく…”夏にお世話になった親切な人”って思っているかと…あの方が黄尚書だとは気がついてないんです」
「そうか、ならそれでいい。そのままにしておけ」
鳳珠は少し満足げに口の端を上げた。
「今はまだ、春麗との間にも一つぐらい秘密があった方がいいだろう?それに…ちょっとした悪戯心だ。何日かすればわかる」
「そう、ですか…」
言葉の意味を図りかねて、春麗は少し考えたが「わかりました」とだけ答えた。