新しい商売ーその1
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「わぁ〜こんなにたくさん!」
飾りを一通り広げてみて、春麗は瞳をキラキラさせた。
「この大きな星は1つしかないんですね?どこにつけるのかしら?」
「やはり、木のてっぺんだろうな。私がつけよう」
と鳳珠が受け取って、ひょいと木の先端に星の飾りをつけた。
春麗では届かないそこに軽々とつけた鳳珠を、頼もしそうに見つめる。
「ん?どうした?」
「いえ、何でも…」
少し赤くなって、照れ隠しのためにしゃがんで違う飾りを取る。
「上手に飾らないと、カッコ悪くなっちゃいますね」
キラキラ飾りがついている硝子の丸い形のものや、雪の結晶みたいなものなど何があるか確認しながら、あーでもないこうでもないと相談して飾っていく。
「なんか、とても楽しくなって来ましたね」
「あぁ、こういうことをやるのは初めてだが、いいもんだな」
時間をかけて飾り付けをしたものを、冷めてしまったお茶を飲みながら満足げに眺める。
「あ、ちょっと思いついたんですけれど、この飾り付けもいいと思いますが、木に光るような素材の綺麗な布を巻いたら、もっと華やかになると思いません?」
「それもいいかもしれないな」
「絵師の方に描いていただくのであれば、いくつか飾り付けの提案があった方が面白いと思うのです」
「そうだな、色は赤と白で用意するのはどうだろうか?”さんたくろーす”が赤い服というし、冬の祭りだから雪を思わせる白も合うと思うのだが」
「鳳珠様、それ素敵です!」
春麗がキャッと喜んで、鳳珠の手をとった。
「全く…春麗にできないことはなさそうだな、どうやら商売の才もあるらしい」
「そんな、お商売はもっと別のことですよね…どうしたら素敵かな、って思っただけで。でも、鳳珠様のお役に立てているなら嬉しいですわ」
木の横に立ち満足げに飾った木と春麗を見ていた鳳珠は、そっと春麗を腕の中に抱き寄せて口付けた。