豊作御礼大祭典!?
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「今日は、この前より遅かったんだな」
入り口で待ち構えていた仮面の男の問いに、小さく「はい」と返事した。
「送ろう」
「旦那様…」
振り返ると手招きされたので、そちらに少し寄る。
耳元に手を当てて二、三ささやかれ、仮面の男は「わかった」とだけ答えた。
前回のように俥に乗る。
「今日は…少し御所望のお客様が多かったので、遅くなりました。いつも時間はバラバラなんです。お迎え、ありがとうございます。でも鳳珠様もお忙しいでしょうし、お迎えは…」
春麗が一気に言おうとしたのを、鳳珠は遮った。
「いや、その心配は無用なんだが…胡蝶に言われた。どうやら目立つらしいのでな、妓楼通いしている評判が立たない方がいい、と。その代わり、しっかりあちらの者が送ってくれるというので、悪いが任せようと思う」
「そう、ですか…」
「だが…やはり心配なのには変わりがないがな」
仮面を外しながら言われた言葉の意味を、どう受け取っていいかわからずに、春麗は少し困った顔をした。
「明日は…公休日なんですよね?例の女装大会があるので、今日は秀麗が衣装の最終確認をしています。明日は朝から藍将軍と李絳攸のお化粧をすることになっているんです」
少し空気を変えるように、春麗は話題を変えた。
「そうか…夜も遅くまで働いて、朝も早くから準備とはえらいな」
ぽんぽん、と鳳珠が春麗の頭を撫でた。
懐かしい感じがして、春麗はその気持ちを閉じ込めるようにそっと瞳を閉じた。