豊作御礼大祭典!?
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「はい、春麗ちゃん。先ほどの曲のお礼だ、って、仮面のお客人から。あの客人、準禁色の黄色の衣装を着ていたよ。綺麗な黒髪だった。隣の客人はかなりガタイがいい感じで特徴は…あまりなかったかな」
「そうですか…ありがとうございます」
「あの仮面の客人、知り合いだったのかい?黄州の曲を弾いたのって…」
「いえ…その…なんとなく、ですわ。その方達、まだもう少しいらっしゃいそうでした?お泊まりかしら?」
楽人は先ほどの様子を思い出しながら答える。
「さぁ〜どうだろうね?もう一人の方が飲みたくて、仮面の男を連れてきたって感じかなぁ。さっき胡蝶姐さんがちょっと顔を出したみたいだけど、あまり色事を楽しむ空気はなかったかな」
「そうですか…あの、少し早いですけれど、今日はこれで上がっていいですか?」
「あぁ、構わないよ。すぐ胡蝶に伝えてくるから、帰る準備してな」
「ありがとうございます。ではまた明後日に」
春麗は琵琶を置いて、控室に移動して着替えていると、胡蝶が入ってきた。
「春麗ちゃん、どこか悪いのかい?いつもより少し早いじゃないか?」
「すみません姐さん。もしかしたらお客さまの中に知っている方がいるかもしれないので、鉢合わせしないうちに、と思って…」
「あぁ…そうだね…」
胡蝶は名を出さなかったが、誰のことかわかっていたのでーあれは百合がいた時に身請けしようと大金を積んだ黄家の若旦那だとーー
(だけど、春麗ちゃんとの関係って何かしら?)
と疑問に思いながらも、多くを語らずに頷いた。
「いつものように護衛はつけておくからね。下まで送るよ」
二人で廊下に出て階段の前に出る。
(あっ!)
春麗はさっとお辞儀をしてから、すり抜けるように足速に階段に足をかけた。