豊作御礼大祭典!?
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「失礼致します。楽人を代表してご挨拶申し上げます。先ほどは過分に頂戴いたしましてありがとうございました」
「おぅ。
「お楽しみいただけたようでしたら、何よりでございます」
礼を言いながら、二人の客をそっと見る。
白州ゆかりの曲を所望した方は、どうやら大酒飲みの方らしい。
まとめておいていけ、と言われたのか瓶が何本か並んでいる。
身体が大きく豪快だが、それなりに弁えているところを見ると高官かもしれない。
そして仮面の方は…
(当たり前だけど表情が見えない…どうやって春麗ちゃんに伝えようかしら?)
身なりはキチンとしているし、綺麗でまっすぐな黒髪だ。
大きめの服でわかりずらいが、おそらく体型もスッとしているだろう、と見えるところから判断していく。
「これは…」
少々くぐもった声がした。
「どうした?」
「いや…黄州の曲だな…いい音色だ」
楽人はハッとしてから顔をあげ、仮面の男に向かって話しかけた。
「旦那様は、姮娥楼自慢の”秘密の琵琶姫”をご存知ですか?」
「いや…」
「さっき胡蝶が来てその話をしていったところだな」
代わりに大酒飲みが答えた。
「今日は”秘密の琵琶姫”が出ております。今弾いているのがそうです。秘密ですのでご挨拶させていただくことはないのですけれど、琵琶の腕もいいことからとても人気が高くて、琵琶姫のいる日を狙ってよく登楼されるお大尽もいるぐらいですわ。最も、登楼は不定期なのですけれど」
「ヘェ〜そりゃすごいな」
大酒飲みが関心があるようなないような相槌を打つ。
曲が終わった時、「これをその琵琶姫に渡してくれ。故郷の曲を聴かせてもらった礼だ。素晴らしかったと伝えてくれ」と仮面の男が心付けを手渡してきた。