春の悪夢の奥様会〜凜姫離婚騒動顛末
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「で、黎深殿は百合姫に思いをお伝えになったのかね?」
凜はニコニコと笑いながら、話の矛先を百合に向けた。
「えっと…そうね…あ!の!黎深が!”後宮に迎えにくるのが遅くなって悪かった”って言ったんですけど、あれは悠舜さんが凜姫のところに戻る前だし、その後は…」
百合は一生懸命その様子を思い出そうとするが
「戻ってきてからの黎深は、また悠舜さんの周りをうろちょろしているか、多分鳳珠さんの邸に春麗に会いに行ってばかりで、邸にはあまりいないから、言われてみたらあまり会ってないかも」
春麗はガクッとうなだれた。
「全く、叔父様は…叔母様が紅州に戻るってこと、わかってるのかしら?」
「わかっているみたいよ?産む頃には戻る、って言ってたから」
凜と春麗は顔を見合わせた
「産む頃、って…」
「どうやら、凜姫の子と一年違いになるかもしれないわね」
「百合叔母様…」
「と言っても、私はそんな気がしている、程度だったけど、黎深がああ言い切ったなら本当にそうかも、って思ったわ」
「百合姫、そんななんでもないことのように…」
「うーん、産むのは初めてだけどね、子育てならコウでやってるから。あーでも、絳攸は色々失敗しちゃったところがあるから、今度は気をつけないとなぁ。とはいえ黎深次第なんだけど、男の子だったらまた同じ轍を踏みそうだなぁ」
百合は少しゲンナリとしてお菓子を口に放り込んだ。
「叔母様、もうお医者様には見ていただいたの?」
「え?まだよ?早すぎてわからないと思うわ」
(それで産むって言ってるってよっぽど…)
凜は少し不思議そうに眺めてから尋ねた。
「おめでとう、と言うには少し早いかな?」
「えぇ、だいぶ早いわね。まぁあってても違っても、知らせるわ」
春麗が「まぁ黎深叔父様が仰るなら確かに…」とが呟いてと半ば納得した様子を見て凜は
(紅黎深殿って一体…私の妊娠に気づかなかった旦那様より天つ才、ってこと??)
としばらく混乱していていた。
この話を悠舜が聞いて”黎深に負けた…”、とショックを受けるのは3ヶ月後の話である。
おしまい