春の悪夢の奥様会〜凜姫離婚騒動顛末
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その日、鄭悠舜邸に、”悪夢の国試組”の奥様たちが集っていた。
ちなみに、夫たちはそのうちの一人、黄鳳珠邸に”悪夢の国試組”の高官達とクビになった紅黎深と集っている。
「春麗姫、こちらにきてもらって良かったのか?」
「おそらく、夜中までの会になると思いますから、数刻抜けたところで問題ありませんわ。きっと今頃は囲碁をしながら庭院の花でもみていると思います。随分お久しぶりの方もいらっしゃいますから、同期だけの時間もいいと思いますし、それになかなか邸にいると百合叔母様にも会いづらいですし、一度紅州に帰られるのなら、しばらく会えないからこちらに来させていただきました」
「そうだね、あっちは黎深もいるから、静かに、とはならないだろうけど」
百合が笑いながら答え、三人はゆるゆると茶を飲み、菓子を摘んでいる。
「凜姫はお加減はいかがですか?」
「それにしても、悠舜さんも気がつかなかったとは驚いたね、あんななんでもわかっていそうなのに」
凜はふふっと笑った。
「そりゃぁ、旦那様にわからないように、随分と気をつけていたからね。あの旦那様に隠し通せたのは嬉しいのだけれど、気づいてもらえなかったというのは複雑で…なんとも言えない気分だったよ」
「全く、凜姫が妊娠しているっていうのに、うちのバカ黎深と北方行脚していたんだから、悠舜さんもなんとも、ねぇ春麗?」
「本当に。でも、凜姫の制裁はすごかったですわね」
「そりゃぁそうでしょう?捨てていったんだからね。ついていく、と言ってあったのに」
春麗は少し上を見てその時の様子を思い出しながら、そっと口を開いた。
「妻の最新の失敗作の余波を喰らいまして、っておっしゃってましたけどね?あれ、盛大にフルボッコにしましたよね?悠舜様、頭の形変わってましたもの」
「ヘェ〜やるね、っていうか、やるよね、うん。私だったら黎深殺しちゃうかも!」
「百合姫、それは流石にまずいだろう、気をつけてくれ…」
夫の頭の形を変えたにも関わらず、凜があたふたと百合に伝える。
「なんでも、女の嘘は見抜けないから気をつけろ、って鳳珠様や黎深叔父様をさとしていたらしいですよ?」
「旦那様は一体何をやっているんだか…」
「でも、凜姫に三行半を突きつけられたのが相当応えたみたいですわ。どうやって凜姫に戻ってきてもらったのか、って黎深叔父様が聞いたら、それはもう、ありとあらゆる手を使って!って。最後は素直に自分の気持ちを伝えることが大切です、って叔父様は随分言われたみたい。鳳珠様が最後になんと伝えたのか聞いたけど、悠舜様はそれだけは教えてくれなかったって。」
「悠舜さん、それは鳳珠さんには言わなかったの?」
「えっと、言われなかったみたいですよ?”話の流れで悠舜が黎深に説教してたが私は怒られなかった”と話してましたから」
怒られなくて嬉しそうでしたけど、なんででしょうね?と春麗は不思議そうに答えた。
その様子を凜が見て笑いながら受け取った
「鳳珠殿は日頃から春麗姫には真っ直ぐなぐらい想いを伝えているだろうから、そういうことにはならないだろう、と旦那様が言ってたよ」
「えっ、そんな、悠舜様…」
春麗は真っ赤になって下を向いた。
「あぁ、なんか、鳳珠さんならわかる気がする…」
百合は懐かしそうに遠い昔を思い出して目を細めた。