黄家当主ひとり語り
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「さて。言い分はよくわかった、と言ったが、どうするか、とはまだ答えていないな」
もう一度、文を開いて視線を落とす。
「条件がある。李絳攸殿の言うように、主上側が民のために本当に戦をしない、と言うのなら…」
ゴクリ、と、周囲が息を呑んだ。
「黄家は主上につこう。戦のない世の方が、大金は動かないが持続可能な商売ができるからな。戸部尚書からの文でずいぶん説得されて薄々考えてはいたが、君達の話の裏付けがこの文で取れた」
パン!と文を叩いて続ける
「君の従姉妹に感謝したまえよ、李絳攸。黄家はいい嫁をもらった。紅家には返さん、と当主に伝えておけ」
踵を返して奥に入る。
あとは家令に任せておけばいいだろう。
まったく、鳳珠の嫁にしてやられたな、と薄く笑った。