柚梨の娘
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「今日はお二人でお出かけされていたのですか?」
「はい、お勉強の教本を探しに行きました」
「勉強は割と早くからさせていたんですけどね、あなた方が官吏になってくれたおかげで、自分も目指したいと玉蓮が言い始めて…」
「そうなんですか…まだ玉蓮姫には少し難しいかもしれませんが、わたくしが使っていた本をお貸ししましょうか?叔父様、よろしいですわよね?」
黎深から贈られた本なので一応確認する
「好きにしろ」
「景侍郎、いくつか持ってくるのでどのあたりがいいかみていただけますか?それに合わせて何冊かお貸しします。お持ちのものもあるかもしれませんから選んでくださいね」
と言って室に戻り、5冊ほど持ってきた。
柚梨が玉蓮のレベルに合わせたものを2冊選び、それに合わせてまた何冊か持ってくる。
「読み終わったら次の物をお貸ししますから、いつでも仰ってくださいね」
「ありがとうございます、頑張ります」
玉蓮はニコニコと嬉しそうに春麗を見つめた。
「あの、そう言えば…」
どうしたの?と春麗が首を傾げて促す
「春麗ちゃんは、ほーじゅさまは鳳珠様、れーしんさまは黎深叔父様、邵可様は父様、で。うちの父様だけ景侍郎だと、仲間はずれみたいでかわいそうなので、父様のことも名前で呼んでいただけませんか?」
「えっ?」
驚いたのは春麗と当の景侍郎で、これには鳳珠と邵可が笑った。
「玉蓮姫は優しい子だね」
邵可は自分の子供がこのぐらいの年齢の時を思い出したのか、ニコニコとして言う。
それまで黙っていた黎深が突然口を開いた。
「柚梨様、とでも呼べばいいんじゃないか?私も名で呼ぼう。良いな、柚梨?」
「れ、黎深叔父様…」
(これ、絶対いやって言えないやつ…)
黎深と玉蓮以外は絶句である。
前から密かに柚梨を名前で呼びたいと思っていた黎深は満足そうに勝手に決め、玉蓮は
「れーしんさまもお仲間ですね」
と嬉しそうに微笑んだ。