姫を守る会
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「そんな揃って否定しなくても…」
楸瑛はあまりの剣幕にタジタジとなる。
「お前が後宮女官にあれこれやらかしているのは知られている。吏部も戸部も尚書が許すはずがねぇだろ」
あまりに的確な白大将軍のツッコミに、笑いが起きる。
そこから、誰がどのように担当するかが話題となった。
蚊帳の外に置かれた楸瑛を、韓升が笑って見ている。
「いや〜あんな美人連れて歩けたら楽しいよな〜」
「周囲から羨ましがられるぜ」
ガヤガヤと楽しそうな会話が続いたが、誰かが発した
「俺、逢引に誘ってみようかな」
の声を聞き、黒大将軍がダン!と足を踏んだ。
「おい、邪な心を持っている奴はダメだ」
白大将軍が引き継ぎ、場がシンと静かになる。
「吏部尚書にバレてみろ、羽林軍潰されかねねーぞ」
皆が黒大将軍を見ると、うむ、と頷いた。
(一体、吏部尚書にどんな目に遭わされてきたんだ!?)
一同の目が一斉に泳ぐ。
手を上げたがっていた者も、少しずつ尻込みを始めた。
「ったく、めんどくせーな。韓升、お前今日挨拶してただろ、お前がやれ」
「…はい」
(決め方、雑っ)
楸瑛は苦笑いしながら韓升を見た。
だが、彼なら浮かれたりもしないし、色んな意味で適任だとは思う。
「あ〜それにしても、あの子強かったなぁ、一度手合わせしてもらいたいものだ」
「やめとけ、お前なんかあの扇で一と突きされて終わりだぞ」
いつしか話題は手合わせの話になっていった。
(確かに春麗殿と手合わせしてみるのも面白いかもしれない。剣を持ったらどう動くのかも見てみたいし、終わった後の少し上気した顔は、春麗殿なら色っぽいだろうな…)
一人妄想の世界に入っていた楸瑛に
「藍将軍、主上付きでご一緒ですよね?頼んでもらえませんか?」
と声がかかった。
「あ、あぁ…」
「ダメだ」
またも遮ったのは黒大将軍。
「耀世、お前、自分の娘を重ねてみてるだろ?そうだな…俺と耀世と宋太傅に勝ったら、申し出てもいいぜ」
白大将軍の一言に、がっくりうなだれる羽林軍。
大将軍に勝てる者は将軍クラスでギリギリ勝てるかどうか、ぐらいだった・・・
「とはいえ、主上付きで一緒に仕事をしている藍将軍の毒牙からは我々が守らねばな!」
「藍将軍の所業をまずは知らせて、注意してもらうようにしよう!」
脳筋武官たちは、文で知らせるというところで一致し、翌日それを集めることになった…
それは、姫を守る会と名付けられた…
おしまい
韓 「と、いうことがあったんですよ」
春麗「藍将軍…大将軍方からも叱られてしまったのですね。確かに、後宮ではよくお名前を聞きますわ、フフフ」
楸 「春麗殿、そんな白い目で見なくても…(涙)」