姫を守る会
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黒大将軍と白大将軍がお詫び行脚…?から帰ってきた。
程なくして、春麗を襲った者たちを刑部に引き渡した楸瑛と皐韓升も戻って来たところで、武官たちは前に集まった。
「楸瑛、韓升、ご苦労だった」
白大将軍が話を切り出す。
「吏部では随分と紅黎深に絞られたが、むしろ戸部の黄奇人の圧力の方がすごかったな」
チラリと横を見ると、黒大将軍が渋い顔をして無言で頷いた。
その様子に武官たちは、これはよほどだったのか、と息をのむ。
「一応、両方に紅官吏の指南継続は要請してきた。皆も感じている通り、宋太傅が推すだけあって、あの知識はもしかしたら朝廷で一、二かもしれん。だが、継続できるかは保留だ」
「吏部尚書が渋っているということですか?」
楸瑛が口を挟む。
「いや、吏部だけではなく…戸部もだ。裏を返せば、戸部で既にしっかり戦力となっているということだろう」
”さすが状元だな”と誰かが呟いた。
(いや、状元というだけでなく、あの戸部尚書の下で二ヶ月足らずで戦力としてやっていけているのだ、やはり春麗殿は絳攸に並ぶほど、いやもしかしたらそれ以上の優秀さがあるということか…それを主上はうまく使いこなせていない…)
楸瑛が王の側近としての考えに沈んでいく間に、話は進んでいた。
「雷炎」
黒大将軍が口を開く。
「耀世、どうした?」
「紅春麗だが…」
が、それ以上は何も言わない。
しばらく黙って様子を見ていた白大将軍だったが、耀世が戸部を出る間際に、黄尚書に”詫びていた”と伝えて欲しいと言っていたことを思い出した。
指南継続については同じ考えである。
だが、そのまま続けさせると、同じようなことがあったときに羽林軍としての面子も保てないし、責任問題にも発展する…
耀世の言いたいことがわかり、雷炎はその先の言葉を引き継いだ。
「ここでの講義中は問題ないと思うが、行き来に何かあるといけないので、悪いが誰か送り迎えをたのむ。条件としてそれをつければ尚書たちも了承してくれるだろう」
「では、私が行きましょうか?彼女は主上の補佐もしていますので、面識がありますし」
さりげなく楸瑛が口にすると
「えー??」
という周囲の反応を遮るかのように、
「だめだ」
と黒大将軍が言い放った。
「なんでですか!?」
「お前の女癖の悪さは信用ならん。これで何かあってみろ、紅黎深に何をされるかわかったもんじゃない!!」
白大将軍が間髪いれず答えると、黒大将軍も黙って大きく頷いた。
そうだそうだ、と周りも囃し立てる