冬の夜
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湯浴みから上がって、回廊を歩いていると、だいぶ雪が積もっていた。
立ち止まって、窓の外をじっと見る。
「奥方様、そのままでは冷えてしまいますから、一度お室に戻ってもう一枚羽織ってください」
瑞蘭に言われて、もう少し外を見ていたかった春麗は大人しく室に戻り、足元も暖かくした上に瑞蘭から二枚着せられてもう一度回廊に出る。
先程の場所まで行くと、火鉢と掛け布も用意されていた。
「至れり尽くせりね」
「お風邪を召されては困りますからね、当然です。長い時間はだめですよ」
小さな椅子を持ってきて、瑞蘭が言った。
鳳珠が設計した庭は美しい。
好きなのだが、日頃忙しくてなかなかゆっくり見る機会はないし、夏は暑いから、冬は寒いからと言われてここに住んで一年半たつが、まだ数えるほどしか足を踏み入れられていない。
程なくして、瑞蘭が温かいお茶を持ってきた。
「ありがとうございます」
お茶を飲んでほっこりしていると、湯殿にいく鳳珠が「何してるんだ?」と声をかけてきた。
「雪のお庭を見ているのです。寒いから、暖かくしてもらいました」
「風邪をひくぞ」
「火鉢もあるから大丈夫です」
鳳珠はもう一つ火鉢を足すように侍女に指示してから、湯殿へ向かっていった。