柚梨の娘
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「こんにちは」
「こんにちはーーー!!!」
「おや。随分可愛いお客さんが来たようだね?」
子供の声に気がついて、邵可が迎えに出る。
「黄尚書、いつも春麗がお世話になり、ありがとうございます。景侍郎もご一緒でしたか?そちらのお嬢さんは?」
「私の娘です」
「景玉蓮と申します」
鳳珠と話している時とは違い、よそ行きの声できちんと挨拶をする。
「街で偶然会って、黄尚書が春麗ちゃんのお迎えに行くと知って、玉蓮が一緒に行って春麗ちゃんに会いたいと言いまして…突然申し訳ございません」
柚梨が邵可に詫びる
「構いませんよ。私は紅邵可、春麗の父です。鳳珠殿、景侍郎、いま黎深もいますが…良ければどうぞ」
と中へ案内した
「父様、ほーじゅさま、れーしん様、って、どなた?」
「邵可殿の弟だ」
「鳳珠と同期で、吏部で一番偉い人だよ」
「じゃあ、尚書様なんだね」
通された室では、黎深と春麗がお茶を飲んでいた。
「春麗」
「景侍郎もご一緒だったんですね?そちらの姫はもしかして…」」
「景玉蓮です」
「紅春麗です、玉蓮姫、初めまして。いつもお父様には大変お世話になっておりますわ」
「わぁ〜〜春麗ちゃんって、すごくお綺麗!素敵ね!」
キラキラした瞳で柚梨に訴える
「春麗ちゃん、とは不届な」
不機嫌そうに黎深が口を挟んだ
「黎深叔父様、構いませんわ」
「紅尚書、すみません。私がいつも春麗ちゃんと言って話をしているので…」
柚梨が黎深の圧に恐縮して謝る
「ほーじゅさまは黄色いけど、れーしんさまは紅いんですね」
柚梨がコラっと嗜めるが、玉蓮はほわほわした顔で鳳珠と黎深を見比べている。
「まあ、な」
仮面を外しながら鳳珠は答えた
「ほーじゅさま、お面外しちゃって大丈夫なの?」
「あぁ、この方達は大丈夫だ」
「まぁおかけ下さい。玉蓮姫は鳳珠殿の顔を見ても平気なんだね」
「私の妻が鳳珠と親戚で、生まれた頃から知っているので…そのせいか、鳳珠と話すときはやたら子供っぽくなってしまって困ってます。鳳珠も玉蓮だけは甘やかすので…」
なんとなく邵可、春麗、柚梨の視線が鳳珠に集まり、その後その視線は黎深に移る。
「父様、お二人は似た物同士かしら?」
「かもしれないね」
黎深に聞かれないようにコソコソと邵可と春麗は話すが、ばっちり聞こえていて黎深と鳳珠は苦い顔をしていた。
「玉蓮の名付け親も鳳珠です。私たちが決めきれなかったので、候補の中から選んでもらったんですよ」
「そりゃ、名前を選んだとなれば可愛くもなるだろう」
鳳珠が楽しそうに玉蓮の頭を撫でる。
春麗が「ちょっと外しますね」と言ってから立ち上がり、手巾とお茶とお菓子を持ってきた。
「明日のおやつの予定だったんですけれど…父様と叔父様もどうぞ。玉蓮姫のお口にあうといいのですけど」と配る。