新しい商売ーその2
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キラキラするように灯りを多めに置いた"くりすますの木"のある黄鳳珠邸の仕事室で、鳳珠は仕事を、春麗は何やらぶつぶつ言いながら筆を走らせていた。
書翰を書いている訳ではなさそうなその様子に、鳳珠は不思議に思って声をかける。
「何してるんだ?」
「鳳珠様がお話ししてくださった、"さんたくろーす"ってどんな感じかしら?と」
数枚描いた絵を見せる。
みると、顔はへのへのもへじに髭が付いているだけだが、衣装がそれぞれ異なるようだ。
「せっかくだから、"さんたくろーす"の衣装があった方が、盛り上がるかしらと思って」
仕事をしていた訳ではないことに多少ガクッときたものの、そこは商家である黄家の血筋が騒いだのか、鳳珠は手を止め、ふむ、と真面目な顔をして数枚の絵を見比べた。
「子どもたちに贈り物を届けてくれるんですよね?」
「あぁ、そうらしい…であれば、柔らかい印象の方がいいだろうな…こっちのはちょっとお洒落すぎるな」
鳳珠がより分けていく。
「お髭つけているのでしたっけ?」
「白い髭らしい」
もふもふ…白い髭…
二人は口の中で何度か繰り返す。
もふもふ…白い髭…
「羽羽殿!」
「うー様!」
同じタイミングで閃いて、二人は笑い合った。