花は紫宮に咲く−1
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「本年度、第一位及第者ー状元、杜影月」
「はい」
「同じく第一位ー状元、紅春麗」
「はい」
「第二位ー榜眼、藍龍蓮」
・・・・
「第三位ー探花、紅秀麗」
「はい」
返事の声はまだ幼さが残るものと、少女二人。
李絳攸及第の年を抜く、あまりにも若すぎる上位及第者たちの誕生であった。
「李侍郎たちが及第した時以上の騒がしさだな」
「それはそうでしょう、何しろ上位四名があのようなー」
戸部の黄尚書の声を受けて、景侍郎は心配そうな声を出す。
「これからが大変ですね」
「覚悟の上だろう。私たちは待つだけだ。ここまであの娘たちが這い上がってくるのを。そうだろう、黎深?」
「あぁ、その通りだ。ようやく始まるな」
秀麗はいつも通りのつもりだが、馴染みのある街の人がなんか遠く感じる。
秀麗と春麗に及第した時にお化粧道具一式を贈ってくれた胡蝶姐さんのでさえ「しばらくここへ来ないでもらえるかい」と拒絶された。
(及第してから街の人は皆まともに顔も合わせてくれない)
俯きそうになる顔をあげ、街の人とすれ違う時に会釈して歩いていた秀麗は、目の前をおぼつかない足取りで歩く、見覚えのある小さな後ろ姿に目をやった。
「ちょっと待ちなさい!!」
「あ、あれ…秀麗さん?」
「き・な・さ・い」