黄金の約束−2
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ところは変わり、邵可邸
”夜這い御免状”を出した”お宅訪問”の日、遠征からの文を囲んで、男たちはうーんと眉を寄せていた。
「なぜよりにもよって今日なのだ…!」
「申し訳ありません、主上。娘が帰ってきたら伝えようと思っていたのですから」
話し合いの結果、文に書いてある邸にいくことになり、「明日はみんな揃ってお墓参りしないと、妻に怒られてしまうから」と4人を送り出した。
(秀麗はおそらく関わらないだろうが、春麗がいるとなるとあの腕前なら参戦してくる可能性がある…室にあるあの剣を持たせるかどうか…)
邵可はだいぶ迷ったが、危険なことには首を突っ込んで欲しくない、という思いから、静蘭に持たせるのはやめた。
「…さてと、聞いていたね?珠翠。黄尚書の邸の周辺はどうなっていた?」
さっと珠翠が現れる。
「大したことはありません。邵可様自ら出られなくても、私だけで十分です」
「妻の命日前に、娘たちの命を人任せにできないよ。万一のことがあったら悔やんでも悔やみきれない。それに、今回は春麗がいるから、想定外のことが起こりそうな気がする。余計にだ」
支度をし、春麗の室に行き、隠してある剣をとって向かった。
燕青は庭院に仕掛けを作って回っていた。
どさ、っと音がして目を向けて破顔した。
「やっぱりきてくれたんだな、静蘭。さすが竹馬の友。大感激。そんな大人数で来るとは思わなかったけど。あれー左羽林軍将軍さんまで。なんとも豪華なメンツ」
「お前な、あちこち仕掛け作りすぎだ。ここまで来るのに難儀したぞ」
「一つも発動させずにここまで来るとはさすが。でもここのご主人には話通してあるから堂々と表門から入ってくりゃよかったのに」
「そういうことは事前に文に書いておけ!」
静蘭とのやりとりを目を白黒させて見ていた劉輝だったが、あまりに親しげな様子を訝しんで間に入った。
「誰だお前は!兄…静蘭の竹馬の友だと?お前の顔など記憶にないぞ!」
「お、新顔。まぁいいや、後で。悪いんだけど李侍郎さん、あっちの離れに姫さんと”天寿”とここのご主人がいるから、お相手と事情説明よろしく」
「天寿、だと?」
言われた絳攸のみならず、他の二人も驚いた。
「そ、天寿。なんでここのご主人と一緒にいたのかは不明。いきがかり上、って言ってたけどな。ここのご主人や姫さんのいる前で聞かない方がいいぜ」
「わかった。俺は大人しく引っ込んでいることにする」
絳攸は離れに向かう。
その後しばらく、静蘭と燕青は”お嬢様を巻き込んだ件”について言い争いをしていた。
翔琳少年が帰ってきたのに続いて、塀を乗り越えてくる幾つもの大きな影があった。
いくつも仕掛けた罠にはまっていく。
それをきっかけに、戦いが始まった