黄金の約束−2
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その頃、戸部では…
「あの元気な二人がいないと、この室も寂しいですね。今日は天寿くんがいてくれてますが」
景侍郎は隠し金庫から宝物庫の鍵を取る。
「うーん、この鍵、どうなっているの?不思議です」
「面白い構造と形でしょう?ちょっと鍵には見えませんよね。今は亡き稀代の鍵師が創り上げた一世一代の大作だそうです」
と説明をして、それを腰につける。
「僕は資料室にいますね。宝物庫点検に行くときに、声をかけてください」
と言って、天寿は資料室へはいった。
「鳳珠、李侍郎に言って、あの二人…天寿くんもですけど、ずっと留め置いてもらうわけに行かないでしょうか。燕青さんは流石に無理として、秀くんなら」
「いや、それは無理だろう」
「なぜですか?」
鳳珠、と言われた黄尚書は、景侍郎を仮面越しにじっとみる。
「お前、本当に気づいていないのか?」
「は?何をです?」
柚梨は首を傾げる
「いや…まあいい。李侍郎はいずれ秀が国試を受けると言っていたんだろう」
「いいえ、官吏になった暁には、とはっきりおっしゃいました」
黄尚書は筆を置いた。
本当に大切な話をするときの癖だった。
「柚梨、以前王が言い出した国試女人受験制のことを覚えているか」
「ええ、もちろん。あなたは無言で途中退席してしまって、後の言い訳が大変でしたから」
「…悪かった」
柚梨はクスリと笑う
「慣れてますから。それにあのときのあなたの態度は致し方ないと思いますし」
「気になっていることがある」
「吏部尚書のことですか?」
「…なんでお前はそうズバズバ見抜くんだ?」
「そりゃあ仮面を被る前からあなたのそばにいるんです。そのくらいわかります…それで、女人国試制度ですが…」
話を遮るように
「捕まえろ!向こうへ逃げたぞ!」
という声が聞こえた。