黄金の約束−4
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「うわー、今日も積もったわねー」これがお米や氷砂糖ならどんなに助かるかしらね、静蘭」
「すっかりお元気になりましたね、お嬢様」
「お見舞いを下さった方にお礼状も出したし。私、幸せ者ね」
翌日、秀麗と静蘭は庭院の雪を見ながら談笑していた。
空を見ながらいう秀麗に、静蘭が満足げに頷いた。
「邪魔するぞ」
「絳攸様?」
「朝早くにすまないな」
と絳攸が出仕前に、本を持って現れた。
勉強の遅れを取り戻すために、毎日帰りに寄ってくれるとのことだ。
秀麗は大喜びで礼を伝えた。
「それから…春麗か邵可様は?」
「父様は食堂にいると思うけど…春麗は…知ってる?静蘭?」
「いえ、今日は旦那様にしかお目にかかっていません」
「そうか、では食堂の方にお邪魔してみる」
絳攸はそのまま食堂へ移動した。
「邵可様」
「絳攸殿、朝早いですね?」
「秀麗に本を持ってきました。これから帰りにも寄らせてもらって、勉強を見ようかと」
「それはありがとうございます。娘も喜ぶでしょう」
邵可はニコニコしながら、「さっき静蘭が淹れてくれたのだけどまだ温かいから」とお茶を差し出した。
絳攸は席に着く。
「それから、すみませんでした。昨日、春麗のことに全く気づかずに…」
「あぁ、そのことなら…私も気づいていなかったんだよ。黄尚書だけが気づいてくださってね。葉医師も呼んでおいてくれたから、大事には至らなかったけれど…」
「そうですか。ところで、これは?」
食卓の上に置かれた花束と包みを見て不思議そうにする。
「今朝、黄尚書から春麗に届いたものだよ。後で持っていこうと思ってね」
「実は、秀麗の課題の本を持ってくる用事もあったのですが、これを黎深様から預かっています」
風呂敷を食卓の上に載せる。
「秀麗の蜜柑、だそうです。だがこれは春麗に、と。」
「あぁ、あれね…ありがとう、食べられそうだったら渡しておくよ」
「具合は良くないのですか?」
「…まだ熱が下がりきっていないからね。葉医師が泊まってくれて、今朝の様子を見たら後一日ぐらいで元気になるだろう、と」
「そうですか…黎深様が心配していたので伝えておきます」
「ありがとう」
邵可はにっこり笑ったが、絳攸から見たらどことなく元気がないように見えた。