黄金の約束−4
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
季節は巡る。
秋から冬に向かっては、秀麗は日中の賃仕事も少しずつ減らして、勉強を中心の生活に切り替えていた。
最も、いくつかの賃仕事と道寺で教えるのは続けてはいたが、春麗から「仕事は私がやるから、勉強を中心にした方がいいわよ」と言われてた上に、絳攸からも「春麗の言うとおりだ」と言われてしまって切り替えざるを得なかったのだが。
「ねぇ静蘭…春麗も適正試験を受けると言っていたのに、いいのかしら?」
新年が明けてすぐー”真冬”となって雪の降るある日、秀麗は気になっていた事を尋ねた。
「お嬢様は春麗お嬢様の言葉に甘えておいていいんじゃないですか?いつだったか、絳攸殿に聞いたのですよ。勉強会に春麗お嬢様を誘わないのはなぜか、と。そうしたら、”教えることがない”って言ってましたね」
「エェッ?」
「どういうことかわからなかったのですが、それっきり黙ってしまわれたので、藍将軍も私もそれ以上は言えなくて。ただ、彼がそう言うということは、お嬢様は春麗お嬢様の言葉に甘えておいて大丈夫、ということでしょう」
ふぅ、と秀麗はため息をついた。
「静蘭でもわからない、かぁ。まぁ春麗は昔からよく邸にいなかったり、謎だものね」
静蘭はもしかしたら、と思い当たっていた。
絳攸のことを昔から知っていた、さらに旦那様や奥様がそれについて何も言っていなかったことを考えると、春麗の行き先は紅黎深邸に違いない、と。
だが、それは秀麗には言えないことだ、とすぐに思い出し、曖昧に微笑んでおいた。
「さぁ、お嬢様、気をつけて行ってきてくださいね。これだけ寒いので風邪をひかないように気をつけて」
道寺へ行く秀麗を静蘭は笑顔で送り出した。