はじまりの風−2
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後宮に戻ってから春麗は走って自分の室に戻り、バタンと扉を閉める。
(あぁ、会ってしまった。”鳳珠”様に…)
扉に寄りかかり、ずるずると座り込む。
最後に会ったのはずっと昔、まだ幼児の時だし、あの様子だと決して正体はバレていないだろう。
だが、”黄尚書”と”天寿”として毎日接している中で、”春麗”としての姿を見られてしまうと、”天寿”の仮面が剥がれ落ちそうで心許ない。
決して強くはなかったが、触れられた手首が熱をもったようにあつい。
この気持ちは、何?
立ち上がり、琵琶を片付け、簪を外すして髪を解く。
鏡に映る顔も、心なしか赤い。
(わたくしの姿は、鳳珠様にはどう映ったかしら?天寿とバレてしまった?それとも、ただの女官とおもったかしら…)
つらつらと考えていたが答えは出ず、春麗は結局一晩、まんじりともせず過ごすことになってしまった。