序章
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仕事がない日は、春麗の要請で、楽士のところへ行って他の楽器を習ったり、舞を習っていた。
(なんでもできた方がいつか役に立つ)
と思ってやっていたが、比較的芸事は好きな方だった。
二胡は母に、琵琶は黎深に習っていたのでそれ以外のものを、と言って笛や舞を中心に習う。
梨園では初めは不思議がられていたが、三師が連れてきたこともあり、誰も何も言えずに春麗の稽古に付き合っていた。
(笛は肺活量が上がるし、舞は武術の時の無駄な動きを無くすのに役立つかも)
どちらかというと舞の方が春麗は好きで、武術の後に舞を習って、それから侍童仕事に行くという日が多くなってきた。
(宮城を走り回るのも基礎体力がつくし、訓練訓練)
小さな侍童は今日も走り回る。
一年近く経つ頃、黎深に「そろそろ元の生活に戻りなさい」と言われ、府庫通いは終了した。
秀麗がだいぶ色々わかるようになってきて「春麗がいないのがおかしい」と邵可に伝えたことがきっかけだった。
三師は残念がったが、「また会うこともあるだろう」と言って、割とあっさり引き下がった。
また、元のように黎深の邸に週3回通い、勉強を続ける日々に戻る。
時折、武術や舞が懐かしくなって、黎深がいないときにそっと舞ってみたりもした。
春麗の生活が大きく動き出すまで、もう少し時を待つこととなる。