紫闇の玉座-6
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悠舜が一歩前に出て、カツンと杖を鳴らした。
「飛翔、鳳珠、俊臣殿、私がなんと言ったかわかってますよね?」
「す、すまない…」
「大方、飛翔が焚きつけたんでしょう?後でじっくりお話ししますから、そのつもりで。それから…春麗殿、やってくれましたね?」
悠舜は真っ直ぐ春麗を見た。
キョトン、とした表情で首を傾げる。
「誤魔化したって無駄ですよ、黒州と白州を攻略して黄州に回ったら、絳攸殿と閭官吏が黄家相手に頑張っているのに出会いましてね、援護射撃を少々…ふふ、一番強敵の黄家を真っ先に攻略に行くとは、なかなか絳攸殿は見所があります。やはり黎深がいない方が、彼のためですね」
絳攸の名前に劉輝が真っ先に反応した
「こ、絳攸は…?」
「黄家当主を攻略しましたよ、私でなく、彼がね。私と閭官吏でちょっとした援護射撃はしましたけれど…絳攸殿の手柄ですよ。そう、援護射撃といえば春麗姫、あなたも、やりましたね?」
「春麗?」
鳳珠が(仮面で見えないが)不思議そうな視線で春麗を見下ろし、春麗は気まずそうに視線を泳がせた。
「というわけで鳳珠、黄家当主からの文を預かっています。帰り際に当主に言われましたよ、鳳珠はいい嫁をもらった。紅家には返さん、とね。春麗姫、私のことも書きましたね?おかげで散々嫌味を言われましたよ」
「…」
「春麗?」
「まぁ、いいです。あなたのことは見逃します。が、先ほどの話は別ですからね。その前にこちらの話を片付けてしまいましょうか?あ、絳攸殿はちゃんとついてきた…はずなんですが、途中でどこかにいなくなりました」
(迷ったんだ…)
その場にいた全員が思った。
(帰ったら百合叔母様に捜索隊出してもらわないと…この様子だと途中まで一緒だったという黎深叔父様も同様だわ)
春麗は邵可を見ると、考えていることを理解したのか頷かれた。
「旺季様。王手、です」
彩七家の旗が翻る中で、悠舜はぽつりと告げた。