紫闇の玉座-6
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「な、なんだぁ?」
慌てふためく孫陵王の前に、一頭の馬が駆けてきた。
「凌、晏樹…そういうことね!卑怯な!」
春麗が悔しそうに膝を叩いてキッと見つめる様子を見て、
「なんだなんだヨメ?凌晏樹が出てきたから、ロクなことないってことか?」
と飛翔が矢継ぎ早に尋ねる。
「そういうことと思われます…おそらく、間諜を主上側に紛れ込ませて、あの爆発を起こしたのは主上の軍、ということにしたかと…」
「そこまでやるかねェ?」
「俊臣殿、こういうときの春麗の言葉は当たっているし、彼ならやりかねないだろう。凌晏樹に刃向かった人が柚梨以外、どういう顛末を迎えているか知っているだろう?」
訝しがる俊臣に対し、鳳珠は声をかけた。
「頭脳戦となったら凌晏樹より上の人は鄭悠舜ぐらいかもしれませんね」
楊修が静かに口を開く。
「あとはどちらかというと武に頼る人ばかりですから」
飛翔はそれでも。と顔を顰めた。
「だとしても、村か山か知らんがひとつ吹っ飛ばすこたぁねぇだろう。それにしても、いつもあのつかみどころのない猫みたいな余裕ぶっこいた表情が、まさに必死の形相だな。馬も潰れてかけてら」
静かに様子を見守る中、旺季軍の後方から唸り声が上がる。
ハッと見ると、珠翠が何か叫び、リオウが旗を上げているところだった。
だが…動き出しが軍勢は止まることはなかった。