紫闇の玉座−5
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「いよいよ、明日だな…」
「えぇ…」
春麗は寝台の上に座っている鳳珠の膝に自ら腰掛け、首に両腕を回した。
「どうした?」
おでこをコツンとつけてから、鳳珠の形の良い唇に口付ける。
鳳珠はふっと笑ってから、春麗の腰に手を当てて、そっと寝台に横たえると、そのまま口付けて覆いかぶさった。
「本当は、明日は連れて行きたくない。危ないことに春麗を巻き込みたくない」
甘い口づけとは真逆の言葉を綺麗な声で紡ぎ出す。
「このまま抱き潰して、寝台に縛り付けておきたい」
「鳳珠、様…」
熱のこもった視線と反対の冷たい表情に、春麗は戸惑った。
そのまま、首筋を吸い上げられて、小さく息が漏れる。
「だが、置いていったら、私は一生恨まれるだろうな…?」
「えぇ…」
「危険な目に合わせたくない。怖い思いもさせたくない。」
鳳珠は顔を上げて、春麗をじっと見た。
「わたくしは…鳳珠様が守ってくださいますから、怖くはないですわ。そしてわたくしも、鳳珠様を守りますわ。」
ふっと自嘲気味に鳳珠は微笑んだ。
「そう、だったな…だがやはり、最後は私に春麗を守らせてくれ。最愛の人を守れないなど、男として格好つかない」
「えぇ…鳳珠様がいてくださるから、わたくしも勇気を持てるのです。ですから、お願いしますわ」
「これが終わって、春麗の礼部の方がひと段落したら…休みをとって、二人きりになれるところへ、旅に出よう。」
「はい。鳳珠様とご一緒ならどこへでも」
春麗はいいながら甘えるようにもう一度、鳳珠の首に両腕を回した。
「仕掛けたのは春麗だからな、私が止まらなくなっても文句言うなよ?」
ニヤリと笑ってから鳳珠は改めて春麗の身体に手を伸ばした。