紫闇の玉座−5
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まだ日程的には余裕がある、とは思っていたが、月日が経つのは思いのほか早かった。
春麗が紅家の影や百合に確認した黎深の情報もあまり入ってこず、鳳珠の方もあれだけ来ていた黄州黄家からの文が、ある時を境に殆ど来なくなっていた。
(春麗が言っていた、李絳攸と黄家当主の会談…どのぐらいの時間がかかったのかわからないが、おそらく二人が会った後ぐらいから来なくなったか…何か決断した可能性が高いと見た方がいいな)
鳳珠は戸部の仕事をこなしながら、頭の片隅ではそのことを考えていた。
(明日、全てが決まる…)
明日が肝心の日、ということで少し前に旺季は孫陵王と帰って行った。
外朝は不気味なぐらい静まり返っている。
春麗と茶と菓子を配りながら戸部内を回っていた。
柚梨が来て、鳳珠に伝える。
「鳳珠、先ほど、管尚書から兵部の孫尚書以外の六部尚書侍郎に呼び出しがかかりましたよ?今晩、場所は戸部だそうです」
「なんでここなんだ?」
「関係者が一番多いからだそうですよ?御史台に目をつけられないといいのですが…」
「…まあ、その時はその時、だな。いずれにしろ、明日だ」
茶を一口飲んで、夜に飛翔が持ってくる話を想像する。
大方の予測がついたところで、急いで仕事を終わらせるか、と筆をとった。