紫闇の玉座−5
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リオウが帰ってきた三日後、春麗は仙洞省に行き、紅州でのあらましを聞く。
「まぁ、髪の毛か爪を?そういえば、昔、やたらと秀麗に藁人形を贈っていたのよね…」
「や、やはりそうか!?呪いか何かかという気がして断固反対したんだが…で、持ってた親書の裏に”こんにちは、リオウです”って書かされたが、それはなんだと思う?」
「さぁ…もしかしたら…誰か、見せたい人がいらしたのかもしれませんわね。ただ、それが誰かと言われると…珠翠ならともかく、主上にこの世にいな人と連絡をとる力なんてないと思いますし。誰かしらね?」
春麗はふむふむと考えながら口にする
「この世にいない人か…それは思いつかなかったな。お前ならわかるかと思ったけど…まぁ髪と爪はやらなかったし、それについては旺季殿や孫尚書も安心してたな」
「あら、お話しされたんですね。返信への反応はどうでした?」
「具体的な日付、場所が書いてあった。その場に、仙洞令君としてのオレと、大巫女の珠翠が同席することにした。俺一人じゃ、今は公平ではないと見られてしまうからな、珠翠に頼んだ」
「賢明だと思いますわ…ちなみにそれはいつどこで?」
リオウから聞いた春麗は少し目を丸くした。
「なるほど…悪くないですね。もしかしたら…」
(それも、悠舜様が何か主上に残したのかしら?)
春麗の瞳がすっと細くなったのを、リオウは認めた。
何か気がついたようだとは思ったが、それ以上問うことはなかった。