紫闇の玉座−3
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鳳珠にあらましを話して、後宮へ向かう。
悠舜が殺されかけた話には流石の鳳珠も動揺が見られたが、無事と聞いて落ち着いたようだ。
向かいながら、小声で話す。
「あと…先程、凜姫が来られました」
「あぁ、外で話していたみたいだな?悠舜は怪我もないのか?」
「えぇ、そのように…ただ、凜姫が来られたのは別の理由で、その…」
春麗は立ち止まって、キョロキョロと周りを見回した。
勢いで歩いていた鳳珠がそれに気がついて、立ち止まって戻ってくる。
「どうした?」
背の高い鳳珠に、春麗は背伸びをして耳元に口を寄せた。
「悠舜様と、お別れしたようです…」
鳳珠は声も出さずに目を見張り、春麗を見る。
「そうか…」
ややあって、ため息をつきながら、鳳珠は少し考え込んだ。
(悠舜のことだ、ますます危険になる自分の人生に、愛する人を巻き込めない、と思ったのか…?それとも、何か別のことが…)
もう少し考えていたかったが、後宮に足を向けていることもあり、
「続きは、帰ってから話そう。悠舜に会えたら、凜姫が寄って無事を知らせてくれた、とそれとなく話を向けてみる。会えるといいが」
と答えて、また歩き出した。