紫闇の玉座−2
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劉輝のところへ向かう途中で”悠舜が池に放り込まれたようだ”と聞いて、慌てて戻って絳攸と邵可は温石の用意をした。
女官に言いつけ、大量の毛布と共に用意する。
「柴凜殿に来ていただいた方がいいですね、あぁ、春麗を帰すんじゃなかった、遣いを頼めたのに」
絳攸が言った途端、バタンと扉が開いて、春麗が立っていた。
「戸部に戻る途中で騒ぎを聞きつけて見てたんです。こちらにも連絡が入ったのですね」
「あぁ、悠舜殿が殺されかけて、池に放り込まれてずぶ濡れなんだろう?」
「えぇ。物陰から見ていたので、おそらくわたくしには気がついた者は多くないと思いますが、白大将軍は気配で気づいたかもしれませんね。いま、藍楸瑛殿も戻ってこられて主上と悠舜様と共にいらっしゃいますわ」
楸瑛、の言葉に驚いて少し思考が止まった絳攸は、慌てて意識を戻してから邵可に
「やはり柴凜殿にこちらに来るようにしてもらいましょうか?」
と尋ねた。
「そうだね。悠舜殿に何かあったとなれば心配するだろうし…春麗、頼まれてくれるかい?」
「えぇ、わかりましたわ。後宮の入り口まで凜姫を連れて来ますので、そこからはどなたか女官に案内をお願いしてもよろしいでしょうか?この件も伝えないとですから、一度戸部に戻ってから、また参りますので…」
「構わないよ、流石にこの騒動が外朝に漏れるのはもう少しだろうが、鳳珠殿も心配するだろう。それから凜姫も百合姫の部屋に通すわけではないだろうから、その通りにした方がいいね。十三姫、お願いできますか?」
「春麗ちゃん、私が一人信頼できる女官をつけるわ。その者に、後宮の入り口で待たせておくから、一緒に行ってちょうだい」
いつの間にか親しげに春麗ちゃん、と呼んだ十三姫が一人の女官に声をかけ、紹介した。
春麗は頷いてから、女官と出ていった。
「毛布と温石の用意はできたか?とりあえず先にあるだけ持っていこう」
邵可と絳攸も室を出て、劉輝のほうへ向かっていった