蒼き迷宮−2
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「で、どうする?紅家から外されたアンタは、どちらにつく?」
葵皇毅と違って逃してはくれない、と悟った春麗は、ちょっと首を傾げて曖昧に微笑む。
「さぁ…どちらでしょう?そうですね…誰も殺さず、戦わずして済む方に…とでも答えておきましょうか?」
「もし邪魔をするなら斬る、と言ったら?」
「そっくりそのままお返ししますわ。もっとも、現時点ではわかりません。一つだけ言えることは、わたくしの大切な…守りたいものを傷つけようとするのであれば、ですけれど…願わくばそうならないことを祈っております。だって、文官のフリしてる”剣聖”に勝てる人なんて、きっと彩雲国にはいませんもの」
クスクスと笑って答えると
「”剣聖”ってナニ?だから俺は一般庶民デース、って言ってるだろーが」
と笑って返された。
「お前、明日から兵部に来ないか?宋太傅も誘っていただろう?侍郎職をやる。任官してすぐの頃に羽林軍指南で襲われた時、十人ぐらいを楽々倒していたと大将軍たちから聞いたぞ?羽林軍からも反対がでないどころか、大歓迎だろう」
「お誘いいただけるのは光栄ですけれど、お断りしますわ。武芸はあまり好きではありませんの」
「そうか?まぁ、気が向いたら言ってくれ。ところでお前も、旺季よりあの坊ちゃんの方がふさわしいって思うか?邵可はお前はふさわしくないと思っているだろうが、自分はそんな気がする程度、って抜かしやがったけどな」
(父様…)
春麗は少し呆れた顔で邵可を見ると、邵可は気まずそうにそっと視線を逸らした。
「で、どうだ?紅春麗?」
「王としてうまくやるのは間違いなく旺長官でしょうね。今もまさにその状態ですし…旺長官と主上は、本質が全く異なるように思いますから…」
「本質?」
陵王は少し厳しい顔をして春麗を見る。