蒼き迷宮−2
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話題は食糧問題に移った。
蝗害問題については旺季に一任されているがゆえに、旺季と玉がの会話が中心となって進んでいく。
時折口を開いて合いの手のように何かを言うのは孫尚書ぐらいだ。
(孫尚書…旺長官の盟友だと聞くから、わからなくはないし、蝗害となると御史台の管轄だから発言する人が偏るのはわかるけど…)
春麗はこの場の違和感にーいつものことではあるが、王の存在感が全くないことにー、扇を口に当てて斜め上を見る。
違和感ゆえに、無意識に先を見てしまうことを防ぐように、考え事に走る。
(旺季殿が紅州に行く…鳳珠様から聞いている劉州牧と対峙するにあたり、吉と出るか凶と出るか…それまでに黎深叔父様が復活しているとも思えないし、復活していたとしても、悠舜様自らの依頼でもなく、朝廷のために動くとも思えない…)
「各方、諸般の問題は山積している。鄭尚書令は若いが、その職責に預かるだけの機知と決断力があるのは私も否定しない。困り果てた時に尚書令が最善と決断したことがあれば、くれぐれも軽んじることのないようーーでは、私がいない間、朝廷をよろしく頼む」
旺季の発言で場は閉まった。
(まるで王様みたい…)
首を垂れた者、軽く会釈した者はそこそこいたが、春麗は微動だにせずにその様子をじっと見つめていた。