蒼き迷宮−1
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
昊を見上げる。
春麗は星詠みは大してできない。
公子争いの前に朝廷に出入りしていた時に、勉強したいと言っていたが、さわりだけ聞いたところで朝廷通いが終わってしまったのだ。
だが、詳しくはわからないまでも、いつもの昊と違うことぐらいはわかる。
「羽羽様のところに行ってきます。ちゃんと俥で帰りますので、先に邸に戻られてください」
定刻過ぎてから、仙洞省へ足を向けた。
うー様は少し前にあった時からさらにひと回り小さくなっていた。
春麗は少し悲しそうな顔をしてから
「朝議にいらしていないのでお具合を心配していました。櫂瑜様からの御文でも、気にかけてほしいと…お薬などは羽羽様の方がご専門でしょうから、気晴らしになりそうなお茶とお菓子をお持ちしましたわ」
と言って包みを差し出す。
「ありがとう、あなたの気遣いが今はとても沁みる…”天災”は起きてしまったようじゃな」
「はい、主上が旺長官を指名して…軍馬の権をお与えになりました。そのことで…わたくしは星詠みがほとんどできないのですが、いつもと違う昊と思いまして、気になってお伺いした次第です」
羽羽はじっと春麗を見た。
「この先に起こることを理解してしまっている顔をしておられるな…」
とはいえ、対処らしい対処はできないじゃろうが、と言いながら、羽羽は立ち上がって露台へ向かう。
春麗も黙ったままついて行った。