黄昏の宮ー2
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午後になってから戸部へ行く
案件を高速処理で済ませ、春麗は資料室に入った。
(蝗害対策の予算は公子争いで削られた後、そのままだったはず…)
であれば、御史台が対策を行っていたとしても満足にはできていないに違いない。
尚書令が用意しているかもしれないし、鳳珠や柚梨は頭に入っているだろうが、自分がもう一度攫っておいても損はしないだろう。
書き出したものを手に持ち、席について少し眺めていると、柚梨が声をかけてきた。
「どうしたんですか?蝗害対策の資料なんか持ち出して」
「…今朝うー様のところへ言ったのですけれど…”最悪の天災”の兆候が出ている、と。最悪の天災といえば蝗害でしょうし、時期的にはこれからでしょうから、気になったので少し調べてようと思ったんです。官給田の刈り入れも早急にしたほうがいいかもしれません」
「蝗害、ですか…公子争いの後、予算を削ったままですね。まぁ国庫が空っぽだったので、それどころではない、というのもありましたが」
柚梨は顔を顰めてため息をつきながら一言言った。
「ただでさえ地震で予備費が取られますが…本当に蝗害が起きるとそれどころではありませんね。全般的に削れるところも探しておきましょうか」
柚梨の提案に一も二もなく頷いて、二人で作業に入った。