黄昏の宮−1
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「なぜだ?」
「俥の中で…いやって言ってしまったから…なのに…」
春麗は赤くなって下を向く。
「なのに、なんだ?」
「いやって言いながら…あんなに、その…」
(乱れて、しまったから…)
「嫌いに、ならないで…鳳珠様だから、わたくし…」
今度は春麗からぎゅっと抱きつく。
「身体が、あぁ、なってしまうの…」
思いもよらなかった震えた声の小さな小さな声の告白は鳳珠の耳に届いた。
鳳珠は何も言わず、そのまま寝台に押し倒して上から跨った。
そっと顔を撫でて浮かんだ涙を親指で拭って、口の端を上げて意地悪そうに言った。
「淫らな春麗のどこを嫌いになると?一から私好みに育てたんだ…私の手で乱れていく春麗が可愛くて仕方がない…」
「えっ」
”淫らな春麗”という言葉に、カッと赤くなる。
だが鳳珠が悪そうな表情をしていたのも束の間、苦しそうな顔に変わる。
「春麗こそ…大人なのにつまらない嫉妬をして、あんなことをした私に愛想をつかしていないか?」
春麗はぱちぱちと瞬きしてから、ふるりと首を振って答えた。
「…好き……わたくしには、鳳珠様だけです…まだ鳳珠様のことを、好きでいてもいいですか?」
「それ以外は許さん。ずっと…私を好きでいろ」
「何があってもわたくしは、鳳珠様だけのものです…それだけは、忘れないで…」
「誰に渡すものか、春麗は私のものだ…愛している…」
鳳珠の言葉に春麗は両手を伸ばして、少し顔を起こし、口付けた。
そのまま鳳珠は春麗の頭と肩を抱き抱えて、体を起こす。
「もう一度、ちゃんと春麗を抱きたい」
首筋に下を這わせて、軽く吸って薄く色付けてから舐めた。
「あ、そんなところ…見えちゃうからダメですよ…」
「本当は…見せつけたいところだがな、これくらいなら明日には消えてしまう」
言いながら、春麗の夜着を脱がせる。
蝋燭の灯りが白い肌を橙に染める。
いつもより明るくて恥ずかしい。
「鳳珠様、灯りが…」
「綺麗な春麗の身体がよく見えていいな」
「恥ずかしい、です…」
「私はすでにさっきから何も着ていないが?そういえば…さっき抱き寄せた時に、なぜ息を止めた?」
怖くない、とは言われたが、俥の中のことで心のどこかで怖がっていようであれば、いつも以上に優しくしないといけない、と少しゆっくりと脱がして唇を柔らかい肌に這わせる。
「あの…急に、何もお召しになっていない鳳珠様の胸に、顔を寄せることになってしまって…恥ずかしかったのです…」
顔を真っ赤にして、春麗が少し見上げてきた。
「お前は…やっぱり可愛くて仕方ないな」
吸い付くような肌に紅い華を散らしながら、頂を舌で可愛がる。
「ふぁん」
と上がる声に満足して、するりと下帯もとり、のしかかるようにして春麗を寝台に横たえた。