黄昏の宮−1
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邵可の挨拶も終わり、とりあえず一度帰ろう、とした春麗と鳳珠に、伝使が後ろから走り寄ってくる。
「紅春麗様!」
怪訝そうに二人は振り返る。
「あの、紅秀麗殿と縹リオウ殿が行方不明と…今から主上と尚書令のところで話し合いが行われるそうです」
「それで?」
「紅春麗様にも、おいでになるように、と」
「どなたが?」
「鄭尚書令からです」
春麗は顎に手を当てて考える。
「確かに”紅家当主の息女”の行方不明だが、一御史の行方不明に主上や尚書令が絡むのはおかしいな」
考えていたことを鳳珠が口にする
「しかも、そんなことはおそらく御史台の秘密事項ですよね?なぜあなたが伝えにきたのですか?」
「いえ、私は…別の伝使からあなたに伝えて欲しい、と頼まれまして…」
途端に伝使がしどろもどろになる。
おそらく、言われただけで何も知らないのだろう。
「わかった。春麗、室まで送る。罠かもしれないからな。お前の武は分かっているが、私が一緒であれば手を出してくることはないだろう」
「えぇ、時間も時間ですし、お願いいたしますわ」
呼びつけられた室まで伝使に案内をさせる。
着いた途端、その者は走って逃げた。
「ますます怪しいな」
「でも、聞こえる声は主上の声ですわね」
二人は室の扉から顔を出す。
ちょうど、「秀麗とリオウが行方不明とはどういうことだ!」と劉輝が叫んだところだった。