黒い蝶ー3
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「気をつけていってらっしゃい」と遠慮する秀麗を無理矢理黄家の俥に乗せて見送ってから、鳳珠の室に行って顔を出すと「湯浴みしてこい」と言われてそのまま浴場へ移動する。
ちゃぽん、とお湯の中で足を伸ばしてふとみると、昨晩つけられた紅い華が目に入って、恥ずかしくなってしまう。
(子供、かぁ…)
うー様に”春麗殿は大丈夫”、と言われたことは秀麗には言えなかった。
葉先生には聞いていないが…秀麗は葉先生がダメと言ったなら、ダメなのだろう。
でも、母様も子供は産めないと言われていたのに、自分と秀麗が生まれた。
秀麗には…そして自分にも、大丈夫と言われても不安はあるので一抹の期待を寄せたいところではある。
今のところ、鳳珠は月のものをおそらく瑞蘭に確認して…その時は、はじめから子ができないように対処している。
しばらく二人で楽しみたい、と言ってくれたのもあるが、おそらく負担に感じないように、はじめからそうしてくれているのだろう。
(本当に、優しい方…)
少し切なくなって、でも急に甘えたくもなって、春麗は急いで湯船から上がった。
瑞蘭に「いつになく急いでいるようですけれど、しっかり髪は乾かしてくださいね」と言われて、されるがままになる。
その間に侍女たちに肌のお手入れもしっかりされて、湯上がりしっとりもち肌な春麗が出来上がった。
「もう、ここまでしてくださらなくてもいいのに」
「いけません。御館様の奥方様ですから、しっかり磨いていただかないと」
初めの頃はそんなことなかったのに、いつからか、侍女たちが”お磨き隊”を結成して、湯上がりの春麗はされるがままになっていた。
「最近、鍛錬されているのか、脚の筋肉のつき方が変わっていますから、しっかり解さないといけないですね。次の公休日はお時間とってくださいね」
「え、そんなの、いいってば!」
「ダメです」
瑞蘭の一言に力強く頷く”お磨き隊”の侍女たち…
(鳳珠様に跡つけないように言わなくちゃ…)
春麗はガクッとうなだれた