黒い蝶−2
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
重臣会議が始まった。
なぜか劉輝は頭にたんこぶを作っていたが。
「あれ、どうしたんでしょう?」
柚梨が小声で魯尚書と春麗に尋ねる。
「さぁ?結構痛々しいですよね…」
「でもちょっと間抜けな感じになっているから…みな笑いを堪えているな」
ふと目をやると、仮面で表情は見えなかったが、笑いを堪えているのか鳳珠の肩が小さく揺れていて、三人はプククと笑った。
春麗は周りの様子を見ながらふと気がついた。
(うー様がいらっしゃらない…)
何か背中に嫌な予感が走ったが、とりあえず今の時点ではやり過ごすことにした。
話題は楊修が紅姓官吏のクビを切ったことから始まった。
意外に、賛否両論である。
「確かに紅姓官吏の行動は行き過ぎだが、何もそこまですることはなかったはずだ。極端すぎる。それでなくとも紅黎深を更迭した直後だというのにー」
意見が出ている中、時折視線を感じる。
出仕している紅姓官吏はたった二人。
たった二人の女人官吏。
そのうちでこの場にいるのは自分だけなのだから、意見を求められる場面が出てくるだろう。
どうやら、聞く時期を見計らっているらしい。
そろそろか、と思って覚悟を決めた時に、管飛翔工部尚書が口を開いた
「…おう楊修。俺はお前のしたことが間違ってるとは思っちゃいねえ。だがな、聞けば悠舜ー尚書令と王をマル無視で単独専行したそうじゃねぇか。いくら権限があるっつても、事後処理で済ませていいやつとそうでないやつの区別くらいつけろやガキ。吏部侍郎を引き受けた以上は、たんこぶ王でも従え。ナメてんじゃねぇ。お前が王と悠舜をナメりゃあ下の者に伝播する。黎深と紅姓官吏みてーにな。ミイラ取りがミイラになりたくなけりゃ、自重しろ」
(ヤクザ!)
(ヤクザがここに…!)
皆ビビった。
同時に、驚きも満ちた。
今まで管飛翔は王と距離をとっていたが、今この瞬間、王側に着くと表明したも同然だった。
(飛翔…)
鳳珠は仮面の下で瞳を閉じた。