黒い蝶−1
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それから数日は、相場案件にかかりきりになった。
魯尚書にだけ事情を話し、礼部の仕事を少し減らして戸部にいる時間を増やす。
「今日が御史大獄だな。行かなくていいのか?」
「派閥なんてないんでしょうけど、紅黎深寄りと見られているわたくしはいけませんわ。秀麗なら…絳攸兄様をなんとか冗官処分、謹慎まで持っていけるでしょう。ただ、秀麗なのでその”やり方”が…」
「やり方?」
「真っ直ぐで強引ですからね。”官当”なんて使わないでしょうし。そうなると秀麗のことをよく思っていない一族も多くいます。もしかしたら、葵長官はそれを狙ったのかもしれませんね。時々わたくしの探りをいれにきていたのもそうだと思いますが…今日の持っていきかた次第では、おそらくは、紅姓官吏が出仕拒否など馬鹿なことをしでかす可能性があると思っています。」
そこまで見越して言い切った春麗に、鳳珠と柚梨は驚いたが、それ以上にこの見通す力と分析力を他部門にー特に貴族派に知られると利用される、と少し青くなった。
そして翌日、春麗の予想通り紅姓官吏は一斉出仕拒否という手段に出た。