黒い蝶−1
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いずれにしても御史台が絡みますね…御史大獄は延期するしかありませんね、こちらの方が問題が大きいです」
悠舜は戸部の説明を聞いて、羽扇でひと仰ぎしてから言った。
「すぐに確認をしましょう。それから御史台と戸部の詰めは…いつも通り景侍郎が?」
「そのつもりだ」
鳳珠は間髪入れずに答えた。
それを受けて悠舜がさらっと言った。
「今回は…春麗殿も入れてください」
「えっ?わたくしが?」
「えぇ」
悠舜の発言に鳳珠は仮面の下で眉間に皺を寄せた。
柚梨もそれを感じ取って、不思議そうな顔で悠舜を見ている。
「そろそろ、春麗殿にも出てもらわないといけない時期でしょう。礼部の件では出てますが、戸部はまだでしょう?絳攸殿のことが片付いていませんから難しい立場ではありますが、戸部案件でありますし、景侍郎がついていれば御史台でも大丈夫だと思いますよ」
「…」
(悠舜様、ここへきて何を仕掛けようとしていらっしゃる…?)
春麗は少し考えてから、鳳珠を見た。
「わかった」
ややあって、鳳珠が頷いたのを、悠舜は満足そうに微笑んだ。