黒い蝶−1
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「…本っっっ当に変わってないようですね?」
「管飛翔をやって叩き起こさせるしかあるまい。俊臣殿と戦えるのは飛翔か姜文仲だけだ」
静蘭が微妙な顔をした
「それがですね、お嬢様が…”ふざけんじゃねーわよ、こちとら昨日から陰険大魔王セーガ対策模擬裁判徹夜でやってて寝てないのよ!首絞めてでも引き摺り出してくれるわ!!”」と行ってしまい・・・」
「秀くん…」
柚梨は驚いた表情で静蘭を見つめ、鳳珠は仮面の裏で複雑な顔をした。
かつて戸部で働いてくれていた時は気立のいい娘だったのに、いつの間にか逞しく育っているらしい。
確かにそれくらいでなければ御史台でやってこられなかったあろうが、ほんのり昔が懐かしい。
「まぁ…秀麗らしいといればらしいけれど、随分と口が悪くなってきているようね…まるで吏部みたい」
春麗ははぁ、とちょっとため息を吐きながら呟いたので、鳳珠は我に返った。
「ーってなに?あの娘、俊臣殿のとこに乗り込んだのか?なぜ止めなかった!」
「え?なぜと言われましても…」
動揺からか、ぐるぐる回り始めた鳳珠のお面を、悠舜が笑顔のままで羽扇でビシッと叩いた。
「落ち着きなさい、鳳珠。いいかもしれません。秀麗殿に一度彼に会っていただきましょう。」
「ばか!気に入られたらどーする?三千世界ののちまでも取り憑かれるぞ!」
「鳳珠様」
「鳳珠、落ち着いて」
春麗と柚梨が鳳珠の袖を引っ張る
「いいか春麗、お前は絶対に近づいてはいけない、絶対にな!!間違いなくお前は気に入られる!」
がしっと肩を掴んで言い聞かせる鳳珠を見て、悠舜はやけっぱちにも見える様子でいった。
「そうですね。とりあえず、まずは黎深のお気に入りで面識のない春麗殿には近づかないでいただいて…秀麗殿は奇人変人びっくり妖怪人間に対する抗体は現存人類で最高ですよ。それに、彼に気に入られたら儲けものじゃないですか。ー刑部尚書も落とすわけには行きません」
鳳珠はそれについてはなにも言わなかった。
話はここまで、と黙って資料を渡す。
目を落とした悠舜の表情が変わった。