白虹は黎明にきらめく−3
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邸に帰った春麗は、「御館様が室でお待ちです」と言われて、荷物を瑞蘭に預けてそのまま鳳珠の室に向かった。
「鳳珠様?ただいま戻りました」
声をかけると、中から扉が開いた。
手を引かれてそのまま引き込まれた後、扉を閉めてすぐに抱きしめられる。
「あの…鳳珠様?」
春麗はおろおろとしていたが、やがて鳳珠の背中に腕を回すと、ふっと体の力を抜いた。
だが鳳珠は何も言わずに、ずっと抱きしめたままだ。
(顔も見えない…)
しばらくなすがままになっていたが、春麗は腕を解いて、鳳珠の胸を少し押して隙間を作る。
肩のあたりに手を置いて、背伸びをして鳳珠の頬に口付けてから
「ただいま帰りました、旦那様」
と小さな声で言った。
鳳珠は少し驚いた表情をした後で、
「おかえり、私の春麗」
と言って、口付けてからまた抱きしめた。
「贈り物を、ありがとう…」
だいぶ経ってから鳳珠が春麗の耳元で口を開く。
「とても…とても嬉しかった…」
「よかったです…」
鳳珠は少し離れて、春麗の顔に手を当てた。
「だいぶ夜更かししてくれたのだろう?」
目の下をそっと指でなぞる。
恥ずかしそうに春麗は下を向いてしまった。
鳳珠は顎に手をかけて上を向かせてから、綺麗に微笑んで、もう一度口付けた。