白虹は黎明にきらめく−2
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数日経って、主上一行は貴陽に戻ってきた。
「宰相会議で、藍州までわざわざ行って藍姓官吏を戻すこともしなかったと責められたらしい」
鳳珠は責められて当然だと付け加えながら伝えた。
「でしょうね…早く戻ることを優先したのでしょうけれど、藍家当主たちと会って来なかった痛手は大きいですわね…それで、藍将軍は?」
「一介の武官になったようです。孫尚書に直談判したとか…」
(柚梨様の情報は早い…目立たないようにあまり他と接点を持たずに来たけど、これからは少し動かないとダメね…)
春麗はそんなことをぼんやりと考えながら、高官以外は知り合いが多くないことに気が付きガクッときた。
「どうしたんです、春麗ちゃん」
「な、なんでもないです…」
苦笑いをして誤魔化す。
(羽林軍に行っても藍将軍を見に来たと思われてしまうし、ここはひとまず現地で関わっていた父様からかしらね…)
「少し…府庫に行ってきます。本も返して参りますわ」
「なら、続きを三冊借りてこい」
「はい…」
出ていく春麗のようすが少しおかしかったのを、柚梨が視線だけで追っていた。