白虹は黎明にきらめく−1
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書翰を届け終わった春麗は、ある室の前に立ち、声を掛ける
「紅春麗、入ります」
「おぉ。久しいの」
「少し体を動かしたくなったか?」
「久しいの、ではありません。なんならつい先日も来てます。これいったいどういうことなんですか!?」
先程握りつぶした文を霄に叩きつける。
「あー、これなぁ…」
宋太傅が思いっきり視線を隣に投げる。
「ご説明いただきましょうか。霄大師」
青筋を立てた春麗は、目の前に陣取って座った。
「当事者から本人に直接依頼が入ったのじゃよ」
「雑すぎてわかりません」
「邵可は昔は結構旅をしておったじゃろう?」
「話をはぐらかさない!!昔と今は違います。今はただの府庫の主です」
春麗は懐から紅い扇を出して、べしべしと霄を叩く。
「イタタ、暴力反対!」
「こんな春麗、初めて見たな。お前、これ説明しないと春麗が本気でキレるぞ?」
宋が援護してくれる。
「わかったわかった、話すから!!」
べしべし叩いていた手を止めて、聞く姿勢をとる。
「主上がお忍びで旅に出られたのじゃよ。十三姫と一緒じゃ。そのお付きとして、主上が邵可に依頼したらしい」
(”らしい”ということは、黒狼として行かずにおおっぴらに旅のお供として向かったということね…)
「主上の旅はお忍びのため、明らかにできなかったのじゃろう」
「…お忍び、って大官たちは殆ど知っているんじゃないですか?」
「そうだろうなぁ…」
宋太傅がのんびりと答える。
「行き先は藍州ですね、全く、主上にも困ったものですわ」
ぱらりと扇を開いて、ゆっくりと扇ぐ。
「なぜ藍州と?」
「なぜ、って…個人的に寂しくて藍楸瑛追っかけていったんでしょう?悠舜様が了解したのでしょうけれど、全くみなさん何を考えているんだか…将軍職としての藍将軍に代わりはいるのに、あえて追っていったということは個人的にでしょう?宋太傅??」
チラリと宋の顔を見ると、”降参”という表情をして、両手をあげた。