青嵐の月草−2
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やたらと”今日は早く帰れ”、と言われて定時そこそこで柚梨は邸に戻った。
「戻りましたよ」
玉蓮が「父様!」と走って出てくる。
「おや?珍しいですね、どうしたんです?」
「あのね、州試、合格したの!」
柚梨はちょっと目を丸く開いて驚いてから
「それはよかった、おめでとう!!」と玉蓮を抱きしめた。
「首席で受かったんだよ」
「それはすごい!」
玉蓮の頭を撫でて、室に向かう。
着替えてから食卓に着くと、ご馳走が並んでいた。
「まだ国試がありますけれど、今日は一回めのお祝い、ということで」
妻と家人が頑張って作ったという祝いの膳が並んでいた。
妻から、合格通知を受け取る。
はっと思い出して、柚梨は一度室に戻ってから、文を二通持って入ってきた。
「玉蓮、これ鳳珠と春麗ちゃんから」
玉蓮は急いで文を開く。
「お祝いの文でした。お返事書いたら明日持っていってくれる?」
玉蓮から文を見せてもらう。
知っていたけれど柚梨が直接聞きたいだろうから黙っておいた、ということも書かれていた。
「二人は知っていたんですね…今日はみょうにそわそわしていると思っていたのですが…もちろん。丁寧に書くのですよ」
それからささやかながら祝いの食卓を囲んだ後、玉蓮が書いた文は、翌日に柚梨よりお礼とともに渡された。