青嵐の月草−2
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指定の場所と時間に春麗は足を運んだ。
が、居並ぶ顔を見てさっと正式な礼をする。
「来たか、ここへ」
呼び出した宋太傅が声をかけたため、立ち上がり軽く礼をしてから宋の隣に立った。
居並ぶ面々は右羽林軍大将軍白雷炎、左羽林軍大将軍黒耀世、そして静蘭。
羽林軍の稽古場ということでそれだけならわかるが、霄太師に鄭悠舜、旺季までいた。
「どういうことですか?」
なんとなく予想はしていたが小声で訊ねると
「すぐにわかる。細かい話はあとだ」
とかわされた。
程なく、王が来て、それから、藍楸瑛が現れた。
楸瑛は正式な跪拝をとる。
「…文にしたためた通り、お手合わせを、願えますか、主上」
王は頷いた。今にも泣き出しそうに見えた。
楸瑛がしばらく逡巡した様子だったが鞘から剣を抜いた。
「ー行きます」
初めに気がついたのは宋太傅と春麗だった。
同時にパッと目を見開き、春麗が宋の袖を軽く引っ張る。
宋太傅はポンと春麗の頭に手を乗せて、その意味を…自分と同じく気がついたことを理解した。
次に、上官の黒耀世が。
「…耀世…楸瑛の野郎」
「……ああ」
「…王は本気だ。だが楸瑛は本気になりきれてねぇ。この期に及んでもな」
勝負は本気になりきれなかったーいや、ならなかった楸瑛が負けた。
”花”と左羽林軍将軍職の辞意は、劉輝の「好きにしろ」という言葉で締め括られた。