青嵐の月草−2
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悠舜に用があって来たであろう羽羽とリオウの邪魔をしても、と思い仮面をつけて鳳珠は尚書令室を後にした。
(”孤独に生きて来た娘”か…)
回廊を歩きながら鳳珠は考える。
今も、春麗は孤独を感じているのだろうか。
それとも、自分と一緒になったことで、少しは癒されているのだろうか。
羽羽のあの言い分だと、後者であると信じたいところだが、正解はわからない。
思わず立ち止って逡巡する。
それから、悠舜との関係…黎深との関係。
春麗が板挟みになることは目に見えている。
回廊の暗さに引き込まれるように、自分の心も闇の中へ引っ張り込まれる感覚を覚える。
(だが、できることをやるだけか)
仮面の顎にそっと手を当てて、再び歩き出した。
戸部の扉を開けると、チリリン、と可愛い音がした。
尚書室の扉を小さく開けて、隙間から柚梨と春麗が確認をして頷く。
「お帰りなさい、鳳珠」
「あぁ…この前話していたの、つけたんだな」
「ちゃんと扉を閉じていても聞こえましたわ。凜姫に感謝ですわね。明日、吏部と礼部にもつけにいきます。吏部は外されちゃうかもしれないけど」
春麗は苦笑いしながら「こちらは終わりましたので帰りましょうか」と促した。