青嵐の月草−2
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「それで、どうだった?」
後宮の様子の報告を聞きながら、鳳珠はいつものように筆を動かしている。
「私からみても、かなり警備が薄いと感じましたよ。十三姫が武芸が得意なようでしたから、十分分かっているようでした」
「武芸?」
「春麗ちゃんに勝負を挑んでましたからね。私からだめだと言っておきましたが」
ふむ、と鳳珠は筆を置いて少し考えた。
「”何かことが起こる”ことを想定して、敢えて薄くしているのかもしれませんね。ただ、そう設定をした兵部の狙いはわかりませんが」
春麗は考えていたことを口にする。
「あと、わたくしたちが確認していた際に、御史台が物陰から見ながらついて回ってましたね。おそらく、あの気配は陸御史だと思いますが…秀麗についているというより、私たちが何をしに来たか確認していた、というところでしょう。柚梨様がご一緒してくださってよかったですわ」
「そうか…まぁしばらく近づかない方が良さそうだな」
「えぇ、御史台長官からもそのように言われましたし」
「…いつ話したんだ?」
「少し前に、戸部の前でお会いした時にそう言われましたわ」
「あの方がそんな話をするなんて、珍しいこともあるものですね」
柚梨の何気ない発言に、鳳珠の仮面の下の表情が曇った。