青嵐の月草−1
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「正直、羽林軍にとっては時期がズレるだけだから大きな問題はないと思うが、なぜ前倒しを選んだ?」
兵部の孫尚書は、春麗の説明を聞いたあと、煙草をふかしながら顔を見て質問をした。
「雪、ですね。特に黒州、白州、茶州は交通が閉鎖されます。寒い時期の移動は危険も多いことから、受験者のためには避けたほうがいいだろうと判断しました」
「正直、国試の方はいいが、六部持ち回りについてはな〜警備は機密事項だろう、進士ごときに教えるのはどうかと思うぜ」
「機密事項まで伝える必要はないでしょう。兵部がどういう仕事をしているかの説明と、資料整理や書翰運びで一週間ぐらいは過ぎるんじゃないですか?昨年の朝廷預かりの時と同じだと思いますが」
淡々と魯尚書が答える。
「まぁ、そう言われりゃそうだ、な。面倒ごとが増えるならごめんだが、やること変わらないなら構わないぜ。ところで、これは誰が考えたんだ?」
「私と紅侍郎ですよ。以前から考えていまして、紅侍郎が春に着任してから二人でまとめました」
「そう、か。ま、それなら構わないんじゃないか」
「ありがとうございます」
挨拶をして兵部を出る。
少し離れてから、春麗はふぅ、と息を吐いた。
「少し緊張しましたか?」
「えぇ…」
「懸念していた女人国試実施は聞かれなかったですね」
「その分、朝議にかけた時に反対が出る可能性があるので少し心配ですが…」
「そこは、尚書令と主上にうまくやってもらおう。次は、戸部だから説明は私がする」
「お願いします」