青嵐の月草−1
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「…ということで考えていますが、いかがでしょうか?覆面吏部官の力もお借りすることになるのですが、それについては紅尚書のご判断が必要になってくるのでご相談に参りました」
魯尚書が説明をし、書簡を渡す。
「この案は?」
「素案は紅侍郎が考えて、私と相談の上、多少手直しをしています。気になるところがあれば忌憚なくおっしゃっていただきたい」
「…」
黎深は少し考えた後、「いいだろう」と答えた。
「ありがとうございます」
魯尚書と紅侍郎ー春麗は頭を下げた。
「あとはどこに持って行くんだ?」
「戸部は予算の時期について変わることと、兵部・羽林軍は警備についてそれぞれ事前の確認をします。その上で尚書令に話した上で朝議にかける予定です」
「まぁ、妥当だな。兵部は気をつけろ」
「ありがとうございます。いずれも、私と二人でまわります。」
黎深は少し安心した顔をし、「せっかくだ、茶を」と春麗に言いつける。
「では私はこれで…」
退室しようとする魯尚書を引き留めた。
「あなたとお茶をするのは、去年の春の事件の時以来ですな、魯尚書」
「本当に…」
「あなたに我が家の家令を断られてしまって残念だった…」
しょんぼりと黎深が言うが、春麗はびっくりだ。
「えっ?どういうことですの??」
「あの時、尚書への打診をそれとなくしたら、これ以上の地位は望まない、と言われたから、だったら家令になっていただけませんか?と頼んだんだよ」
「まぁ…でも、魯尚書には礼部尚書の地位の方がよろしいですわよ?紅家の家令じゃ叔父様に振り回されるだけでもったいないですわ」
クスクスと春麗が笑うのを、黎深はがっかりした表情で、魯尚書は居心地悪そうに見てから、それぞれ茶を飲んだ。