青嵐の月草−1
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「おい、今のはなんだったんだ?」
人気がなくなってから、珀明が春麗に尋ねる。
「さぁ…?通りすがりにバッタリ会って、探るついでに”本当”の明示と暗示を一つずつ落としていった、ということでしょうね」
「お前、あんな大物とよく対等に話していられるな」
「先日…お二人で戸部に来られましたからね。でも…もちろん、対等、なんかではないわ」
ふぅ、と大きく息をつく。
ちょっとでも気を抜くと足元を掬われる。
(自分一人ならそれでも構わない、けど…)
ちいさなミスは鳳珠と黎深、そして絳攸に降りかかる。
そこを気にしているのが秀麗との違いだ。
そして、凌晏樹も葵皇毅もそれに気がついている。
(気は、抜けない…でも、確実に”その時”が近づいている…急がねば…)
ペチン、と顔を叩いて珀明を促した。
吏部尚書補佐の日なので珀明と一緒に吏部に向かったが、吏部の前で魯尚書が待っていて珀明が面食らう。
「魯尚書、お久しぶりです」
珀明がきちんと挨拶をしたのを、魯尚書は黙って頷く。
「どういうことだ?」
春麗の方を向いて尋ねる。
「前に相談した例の件、少し前倒すことにしたのよ。今日は吏部への根回しなので、尚書にも同席いただくよう、お願いしたの。公私はちゃんと区別つけないとですからね」
「そうか。まぁ頑張れよ」
珀明に励まされて、尚書室へ向かう。